立会人型の電子契約サービスの位置づけについての「書面規制、押印、対面規制の見直しについて」 の示唆

6月22日の規制改革推進会議において「書面規制、押印、対面規制の見直しについて」という書面が公表されています。

ここで電子署名法の解釈について興味深い記述があります。立会人型のサービスを利用したとしても、取締役会議事録に付された取締役の電磁的措置は、電子署名になるとした連絡は、このブログでも紹介したところです。

これについて「2.民民間の商慣行等による手続に関するもの」の「(2)電子署名の活用促進①」のところで、立会人型のモデルについて

サービスの利用者が作成した電子文書について、サービス提供事業者自身の署名鍵による暗号化を行うこと等によって当該文書の成立の真正性及びその後の非改変性を担保しようとするサービスであっても、当該サービスの利用者の意思に基づきサービス提供事業者の判断を交えず機械的に行われることが技術的・機能的に担保されたものがあり得るところである。

と整理されました。

私のブログでは、法務省が、

「電子契約事業者が利用者の指示を受けて電子署名を行うサービス」は,電子契約事業者が自ら電子署名を行うサービスであって,当該サービスによる電子署名は,電子契約事業者の電子署名であると整理される。

と整理したのがおかしいのではないかと指摘したところです。利用者からみるべきで、利用者も画面を確認してクリックするという措置をしているので、それを素直に「電子署名(広義)」とみればいいのではないかと指摘していました。

この利用者から見れば、いいのではないかというのに対応するように、「利用者の意思に基づきサービス提供事業者の判断を交えず機械的に行われることが技術的・機能的に担保されたものがあり得る」ということに注目するようになりました。ということで、デジタル署名概念に引きづられた電子署名概念ではなく、電子署名法成立時のアメリカESIGN法や欧州の電子署名指令などの広義の電子署名概念と、対応するようになっているように思えます。

このようなサービスに関して、電子署名法第2条第1項第1号の「当該措置を行った者」の解釈において、当該サービスの対象となる電子文書に付された情報の全体を1つの措置として捉え直してみれば、当該サービスの利用者が当該措置を行ったと評価できることについて、その考え方を明らかにするQ&A等を関係省庁(総務省、法務省、経済産業省)が作成する。

「電子文書に付された情報の全体を1つの措置として捉え直してみれば」という表現がよくわからないところですが、要は、契約文言の書いてあるドキュメントがあって、そのドキュメント全体にふされた「合意します」の画面へのクリックを一つの措置ととらえるという見方のように思えます。

ちょっと、自分の考え方に寄せすぎているのかもしれませんが、Q&A等がでてくるのを楽しみにしています。

実は、今、このあたりの動向をまとめて、しかも、電子署名法成立時の比較法の資料を加えて「電子署名法の数奇な運命」という名称の原稿をまとめています。そういうことがありますので、比較法時の資料とずれることがないようにお願いしたいと思います。

ちなみに、竹田御眞木「電子署名法の概要と動向について」(登記研究675,2004)が国会図書館から届いたのですが、2条1項の概念がどのくらい広かったのか、というのを詳しくは説明していませさん。同氏の論文は、長いのもあるので、それも取り寄せ中です。