制定法における電子署名の概念

電子署名法は、2条1項としては、行為「者」が、ドキメュントに法的効果を与えるとして電気通信的な信号を与えることで足りるのではないか、というのを書いたのですが、そうなると問題なのは、実際の制定法が、デジタル署名を前提に電子署名といっているのではないか、バランスを失しないかという懸念かと思います。

制定法を調べると163になります。ちなみに、ここでも調べていますね。(私が調べると163だったんですけど?)

例えば、いろいろとうるさそうな「戸籍法施行規則」をみてみます。

同規則79条の3をみてみると、

 前条第一項の交付の請求又は同条第二項の届出等をする者は、戸籍法又はこの省令の規定により交付の請求書又は届書若しくは申請書に記載すべきこととされている事項に係る情報を市町村長の使用に係る電子計算機に送信しなければならない。この場合において、戸籍法又はこの省令の規定により交付の請求又は届出等の際に添付し、又は提出すべきこととされている書面等(以下「添付書面等」という。)があるときは、当該添付書面等に代わるべき情報を併せて送信しなければならない。

2 前項に規定する者は、同項の規定により送信する情報に電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子署名をいう。以下同じ。)を行わなければならない。証人を必要とする事件の届出については、当該証人も、前項前段の情報に電子署名を行わなければならない。

3 第一項後段に規定する添付書面等に代わるべき情報は、作成者(認証を要するものについては、作成者及び認証者)による電子署名が行われたものでなければならない。

4 前三項の規定により電子署名が行われた情報を送信するときは、当該電子署名に係る電子証明書(当該電子署名を行った者を確認するために用いられる事項が当該者に係るものであることを証明するために作成された電磁的記録をいう。以下同じ。)であって次の各号のいずれかに該当するものを併せて送信しなければならない。

一 電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号)第三条第一項の規定に基づき作成されたもの

二 商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第十二条の二第一項及び第三項(これらの規定を他の法律の規定において準用する場合を含む。)の規定に基づき作成されたもの

三 その他市町村長の使用に係る電子計算機から当該電子署名を行った者を確認することができるものであって、前二号に掲げるものに準ずるものとして市町村長が定めるもの

となっています。この規定は、電子証明書について、個別の定めがあり、そこで結局は、デジタル署名であることが必要になります。すると解釈としては電子署名自身について、デジタル署名に限られないとしても、影響は一切ないです。

いま一つ、みてみます。消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律施行規則
(平成二十七年内閣府令第六十二号)です。

これは、条文で24条9項です

9 前項の場合において、当該特定適格消費者団体は、第一項各号に掲げる事項についての情報に電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子署名をいう。)を行い、当該電子署名を行った者を確認するために必要な事項を証する電子証明書(同法第八条に規定する認定認証事業者が作成した電子証明書(電子署名及び認証業務に関する法律施行規則(平成十三年総務省・法務省・経済産業省令第二号)第四条第一号に規定する電子証明書をいう。)であって、国民生活センターの使用に係る電子計算機から認証できるものをいう。)と併せてこれを送信しなければならない。

となっているので、これは、認定認証業務の電子証明書という限定が付されています。なので、163のうち、電子証明書が限定されていないで単に電子署名といっている条文がどれだけあるのかというのを洗い出す必要があります。

ちょっと、調査についてお金をいただかないと調べられないですね。というか、人力で調べないさいね>規制改革会議?

「今回の法務省の新解釈は、これら180の法令に定義された「電子署名」の解釈をクラウド型電子署名にも広げたに等しい」

クラウドサインがいっているんですが、ひとつひとつ洗って言ってほしいです。セールストークとしては、ちょっと言い過ぎなんだろうと思います。