「暗号資産」の用語について (1)

暗号資産の用語が用いられるようになっていった経緯については、以下のようにまとめられるかと思います。

2018年2月10日、フランスとドイツが、 3月のアルゼンチンのG20の 蔵相・中央銀行担当者会議で 暗号ポリシを議論するように要請しました。この手紙において「”通貨”であると誤って名付けられてられており、リスクに着目していない。」として、仮想通貨という名称が問題であるという態度が示されていました(France and Germany demand Bitcoin clampdown )。

2018年3月14日 日本は、G20サミット(次週からは、蔵相・中央銀行担当者会議)において暗号ルールを制定するのを支援するという態度を明らかにしました。 https://news.bitcoin.com/japan-to-call-for-crypto-rules-at-the-g20-summit/ [1]

 3月20日 G20の 蔵相・中央銀行担当者会議 コミュニケ は、以下のとおりです。[2]

そのコミニュケでは

「我々は、その基礎となる暗号資産を含む技術革新が、金融システムと経済の効率性と包括性をより広く改善する可能性を秘めていることを認識しています。 しかしながら、暗号資産は、消費者および投資家の保護、市場の健全性、脱税、マネーロンダリングおよびテロ資金調達に関して問題を提起します。 暗号資産には、主権通貨の重要な特質が欠けています。 ある時点で、彼らは金融安定性に影響を与える可能性があります。 私達は、 FATFが、 暗号資産に適用する規格を 実行し、規格に対するFATFレビューを待ち望み、 FATFに対してグローバルな実装を進めることを求めます。我々は、国際基準設定機関(SSB)に対し、その義務に従って暗号資産とそのリスクの監視を継続し、必要に応じて多国間の対応を評価するよう要請します。」

http://www.g20.utoronto.ca/2018/2018-03-30-g20_finance_communique-en.pdf

と述べています(パラグラフ9)。

なお、財務省では、この会議の概要が公表されています。

注目された仮想通貨に関しては、会議では「暗号資産*1」と定義された上で、それが「ソブリン通貨の主要な特性」を欠いていると指摘される一方、「暗号資産の基礎となる技術を含む技術革新が、金融システムの効率性と包摂性及びより広く経済を改善する可能性を有している」という認識が共有された。木原副大臣からは、中でも国際的協調が特に必要なマネロン・テロ資金供与対策に関し、2015年のFATFガイダンスの内容を拘束力のあるFATF基準に格上げすることを期待するとともに、仮想通貨交換業についての法制度が未整備の国は現行のFATFガイダンスに則り速やかに法整備を進めることが必要である、と発言した。その結果、コミュニケでは、「暗号資産に提供される形でのFATF基準の実施にコミットし、FATFによるこれらの基準の見直しに期待し、FATFに対し世界的な実施の推進を要請」することが確認された。

G20ブエノスアイレスの概要https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/201805/201805d.html

2018年7月1日には、“ FATF Report to the G20 Finance Ministers and Central Bank Governors”が公表されています[3]。

報告の構成は、以下のとおりです。

  •  FATFのプログラム(5-15)
  • マネーロンダリングおよびテロリスト金融のリスク(7-8)
  • 仮想通貨/暗号資産の規制環境(9-11)
  • 世界標準およびガイダンス(12-)
  •  大量破壊兵器にたいする金融への対抗(16-18)
  • テロリズムへの金融対抗(19-22)
  • 恩恵的情報保有者の透明性可用性の向上(23-) 
  •  刑事司法システムの効率性の向上(26-28)
  •  リスク解消(29-)
  •  フィンテック・レグテック/デジタルid

ちなみにですが、この報告書では、 仮想通貨/暗号資産 という表現がとられています。(2018年3月では、仮想通貨という表現でした)

20か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明(仮訳)(2018年7月21-22日 於:アルゼンチン・ブエノスアイレス)においては、暗号資産という用語が用いられています[4] ただし、具体的な定義規定は、存在していません。

「10.  暗号資産の基礎となるものを含む技術革新は、金融システム及びより広く経済に重要な便益をもたらし得る。しかしながら、暗号資産は消費者及び投資家保護、市場の健全性、脱税、マネーロンダリング、並びにテロ資金供与に関する問題を提起する。暗号資産は、ソブリン通貨の主要な特性を欠いている。暗号資産は、現時点でグローバル金融システムの安

定にリスクをもたらしていないが、我々は、引き続き警戒を続ける。我々は、FSB及び基準設定主体からのアップデートを歓迎するとともに、暗号資産の潜在的なリスクを監視し、必要に応じ多国間での対応について評価するための更なる作業を期待する。我々は、FATF基準の実施に関する我々の3月のコミットメントを再確認し、2018年10月に、この基準がどのように暗号資産に適用されるか明確にすることをFATFに求める。」

続きます。


[1] https://news.bitcoin.com/japan-to-call-for-crypto-rules-at-the-g20-summit/

[2] http://www.g20.utoronto.ca/2018/2018-03-30-g20_finance_communique-en.pdf

[3] http://www.fatf-gafi.org/media/fatf/documents/reports/FATF-Report-G20-FM-CBG-July-2018.pdf

[4] https://www.mof.go.jp/international_policy/convention/g20/20180722.htm

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